気持ちがいいという尊さ


たわいもないが、

気分が良くなることがあった。


たわいもないが、

私には

とっても珍しいことである。



先週金曜日の朝、

通勤中の幹線道路で事故があったようで、

警察が車線規制していた。


その先頭で棒を振って

走行車の進路変更を促していた若い警察官と目が合い、

お互いにニッコリと会釈した。

車を誘導する棒が、

そのときだけは私に手を振るように小刻みに振られていたのを、見逃してはいない。



それが清々しいほど気持ち良かったのである。

それだけの話である。

しかしもちろんワケがあるに決まっている。



何を隠そう、

私は警察というものが大嫌いである。

20~30代のころ、

「警察は私を監視しているのではないか」という疑念にかられるほど

悪質でもない軽微な交通違反でやたらめったら取り締まりを受けていたので、

(バイクをサンダルで乗った→安全運転義務違反など)

もう何十年も警察を憎んでいた。


息子が「警察官になりたい」なんて言おうもんなら、

持てる力すべて使って全力で阻止する勢いだった。



そんな警察嫌いの私がなぜ警察官にニッコリと挨拶するのか。

話は1カ月前にさかのぼる。



私は日常のしょーもないことにチャレンジしたり、

あえて危険な方法で物事を乗り切ろうとするクセがある。

ギリギリのスリルをムダに味わおうとするのだ。

明らかにこぼれそう!という無茶な持ち方で液体の入ったものを運んだり、

「白線の上だけ踏んでどこまでいけるか」というような、

小学生の謎ルールみたいなことをいまだにしていたりする、

しょーもないコドモオジサンなのだ。


その一つとして、

「エンプティランプがついてもガソリンをギリギリまで入れない」という、

なぜか自分にハードルを課している謎ルールがある。


これでもうおわかりだろう。

ガス欠により、

混雑する朝の幹線道路上で止まってしまったのである。

おひょい史上初の出来事である。

今まで見事にギリギリを攻めてきた給油が間に合わなかったのだ。


そんな生涯初の

確信ガス欠というしょーもないミスにより、

警察のお世話にならざるを得なかったのである。


通報して15分ほど経ち、

やってきたのはコンパクトパトカーに乗った二人。

1人は30代、もう一人は20代の若々しいコンビ。


走行車線上にデーンと停まった私のデリカ。

少し渋滞を引き起こし、

二次的な事故の可能性もある危険な状態にあった。


彼らは私に対して

「どうしました?なぜ?」などの責める言葉は一つもなく、

着くなり

「とりあえず動かしましょうか!」と、

急ぐでもなく焦るでもなく、

ひょうひょうと車を押す準備を始めた。

「路肩がないんで、あの店の駐車場に入れちゃいましょう」

「お店に話してきますね」


朝のあわただしい雰囲気の中でも

2人はマイペース?というか

小走りもせずに普通に対応しているのが不思議な感じでおもしろく、

まるですごい田舎で交番のおまわりさんと世間話でもしているような空気感だった。


日頃めったに焦らない私でも、

私のせいで渋滞や事故が起きたら…と焦っているのに

彼らはどっしりとフツーなのである。

優秀さや凄みは感じられないが、

実直でフツーなのである。

そして若くて爽やかなのである。

生まれてはじめて、

警察官に好感を覚えた。


とくに20代の若い警察官は9頭身と思えるほど長身小顔で、

イケメンというわけではないが、とっても爽やかな屈託のない笑顔。


「運転手さん、ちょっと坂になってるんで一緒に押してもらっていいですか?」

いっしょに押してお店の駐車場へ無事に入れることができた。


「この車・・・めっちゃカッコイイですね!」

「こんなんあるんですねー珍しいなあ」

「運転手さんって、社長さんですか?」

「ステキだなあ」


私のデリカはちょっとグレーなカスタムを施しているので(普通では車検通らない)

「違法改造を指摘されたらどうしよう」と少しドキドキしていたのだが、

ただのカワイイ質問&コメントだった。


あとは給油サービスの到着を待つだけなので、

警察のお二人はすることがない。

「じゃ、行きますね、お気をつけて!」

と最後までガス欠を責めることも

ついでに職務質問をするでもなく、

(私は怪しいので昔よく職質された)

小さなパトカーで爽やかに去っていった。



で、1カ月後、

冒頭の車線規制時の一瞬の出来事に繋がるのである。

ほんとに車が通りすぎる一瞬であり、

それでも反応できるほどお互いに覚えていた、ということは

お互いに好意を感じていたということに他ならない。

私が女ならきっと

「付き合ってください」

と言っていただろう。


イイ男に巡り会えずにモンモンとしておられる女性にぜひ紹介したい、

と思える気持ちの良い男性だった。



職場のみんなや

社会の人々とこんな風に気持ちよく過ごせたらいいのにね。

なんでか知らないけど難しいよね。

なんでいがみ合うのかねえ。

気持ちがイイって、

ほんとに尊いなと。



うん、だから気持ちのいい人間になりたい。

努力してみようっと。




おひょいさんのおたより

安心してください。 あなたの選択はいつも、 今までもこれからも正しいです。

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