おひょいのルーツとクリスマス
心が動かない。
心が動かない日々が続いている。
これほど虚しいことはない。
あるのは穏やかな怒りくらいで、
(それもすぐさまあきらめに変わる)
歓びも笑いも悲しみもない。
映画ですらどうでもよくて観ていない。
私が一番嫌いな、
「死んだように生きている」状態である。
そんなだから、
このブログも筆が進むわけがないのだ。
そんな日々のなか、
眉が2mmくらい動くことがあった。
今年はミュージシャンがよく亡くなる年だ。
世代的にもよく知っている人々が、
どうかしたのか、ってくらい連鎖している。
11月30日、シェイン・マガウアンが逝った。
(マッガワン、の表記のほうがしっくりくるが)
ザ・ポーグスのフロントマンにして
稀代のシンガーソングライターである。
ポーグスは80年代にデビュー、
「アイリッシュ・パンク」
「ケルティック・パンク」
と呼ばれ、
アイルランドの伝統的なフォークとパンクを融合させた、
センセーショナルなバンドだった。
牧歌的で抒情的な美しいサウンドに、
彼の汚らしいダミ声が乗っかる奇跡。
かたや拙速なビートにかき鳴らされる民族楽器が、
爆発的な感情の高ぶりを誘う。
大好きだった。
民族音楽に興味が湧くきっかけにもなったと思う。
アイルランドの音色は
なぜか私の琴線をバシバシ触れてくるので、
切なくて大好きなスコットランドのバグパイプも含め、
私はイギリス北部にルーツがあるんじゃないかと思ったほどだ。
シェインは65歳だった。
正直「よくそこまで生きられたな」と思う。
彼はもう昔から、見た目通りヤバイのである。
まず路地裏の密売人みたいな雑魚キャラ風のルックスに、
「5歳からタバコと酒と競馬をやっていた」と話すように、
ステージで酒とタバコをやりながらキタナイ歯で歌う、
ただのアル中でヤク中のポン引きなのだ。
20代で死ぬ破滅的なパンクロッカーの代表みたいなものだった。
ちなみにジョニー・デップの憧れの人でもある。
カッコ悪いが、カッコええのう。
そしてそんな見た目で美しい曲を書く。
極めつけは「Fairytale of New York」。
山下達郎アニキの「クリスマス・イブ」が大好きな多くの日本人は知らないだろうが、
この曲はいまだに世界中でクリスマスソングの定番なのだ。
(マライアキャリー?認めん!)
私にとっても、
ジュンスカの「白いクリスマス」
ジュディマリの「クリスマス」
遊佐未森の「Silent Bells」と並んで、
30年間にわたって個人的クリスマスソング筆頭である。
見た目通りやさぐれてキワドイ歌詞もまぎれているものの、
それでも優しい、名曲中の名曲である。
今年は例年以上に世界中がこの曲で満たされ、溢れるだろう。
日本以外は。
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